MENU

資料請求はコチラ お問い合わせはコチラ

経済学部 キャリア教育関連科目「キャリア講座C」

  • 朝日電器株式会社
    代表取締役社長
    寺田 仁郎 様

講演日:2024年5月8日

インタビュー

経営(経営者)の難しさを教えてください

27歳の時に不動産業で独立して経営者になりました。
その後、40歳の時に朝日電器の副社長に就任し、現在は社長をしています。
朝日電器のビジネスモデルでは、約1万種類の平均単価500円の小型家電を取り扱いますが、不動産の売買は1案件あたりに大きなお金が動きます。当社の膨大な商品の管理は難しく、色々な人との関わりを増やさないと把握できないといった難しさがあります。
ですから、一言に経営の難しさと言っても、業種や業態によって様々だと思います。
ビジネスが違えば、取り扱う商品や人に対するアプローチの方法も違います。

どのように経営を学ばれましたか

27歳までは経営者という立場ではなく、不動産会社の一社員として勤めていましたが、当時の社長の経営を間近で見て、「自分にも出来るのではないか」と思いました。
従業員としてマネジメントを経験することや、近くで経営者のマネジメントを観察することは、経営者へのステップアップ(準備期間)として貴重な経験でした。
ただ、35歳の時に感覚的な経営に限界を感じ、社会人大学院で学び直しました。
実際に社会を経験したからこそ、学問としての経営と実際に経験してきた経営を比較しながら学ぶことができました。
学問として経営学を学ぶ意義は、過去の事例(成功例?失敗例)をロジカルに説明できる点です。なので、感覚的に経営していた自分にとっては、当時の経営判断がなぜ上手くいったか、上手くいかなかったかを整理整頓できたので、とても勉強になりました。
実際のビジネスでは様々な要因が複雑に絡み合うため、事例に沿えば成果を生み出すとは限りませんが、学び直しの経験や知識は大変意義のあるものでした。
現在でも経営者として意思決定を行う際の自信や根拠となっていますし、ロジカルに説得することで、周囲の協力を仰ぐことに繋がっています。

経営者に必要なスキルを教えてください

周囲の人に協力をお願いする力です。
経営者として会社のビジョンを示すことはありますが、自分一人で解決できることばかりではありません。特別なリーダーシップやカリスマ性よりも、素直に人を頼る能力が重要であると思います。

企業として成長するために必要な要素を教えてください

持続的な成長です。当社のテーマでもあります。
企業として利益を生み出すこと、それも持続的でなければいけません。持続的な利益が、社員やその家族の安定した生活に繋がり、企業の成長に繋がるからです。
そのためにも、社員それぞれの個性や能力を最大限に発揮できる環境づくりや、働きがいを感じてもらうための仕組みづくりを当社では行っています。

本日の講演で学生に一番伝えたかったことは何でしょうか

メーカーとして商品に対するこだわりはありますが、一番重要なことは、それが実際に商品を手にするお客様や小売店(売り場)の困りごとや課題解決に繋がっているかどうかという点です。
ただし、世の中の役に立つことだけをゴールにしてしまうことも極端だと思います。
ビジネスはボランティアではありません。企業活動には持続的な利益の追求が必要です。
皆様の役に立った分だけ利益が生まれること、そこに企業の価値を見出すことが出来ます。

これから社会人となる(経営者を目指す)学生に向けてメッセージをお願いします

本当に経営者になりたいのであれば、経営者の近くでマネジメントを学ぶことです。
自分にも経営が出来るのではないかとイメージし、実際にやってみたら出来たという経験から、社会人や経営者になるために必要なことは、あらゆる物事に対してのイメージ力であると思っています。これを高めるためには、実際に触れてしまうことが重要です。実際にやってみると出来てしまうことも多いですから、最も早く夢を実現できる手段であると思います。
私は、29歳の時に自社ビルを手に入れました。ある日、オフィス街にある多くのビルを眺めていた時、そのビルの数だけ所有者がいるので、自分にも持てないはずはないと思いました。そこから、わずか半年ほどで手に入れることが出来ました。
手の届かないようなことに思えても、実際には、ビルの購入?資金の借り入れ?貸し出しに関するイメージ(ノウハウ)があれば、手元に資金が無くても実現可能です。
学生の皆様も夢を実現するために、理屈ばかりで固めるのではなく、なるべく早く実践に移し、人の真似をして経験を積み、自分のものとして吸収することでイメージを掴むようにしてください。